マラーホフの贈り物2006

@福岡シンフォニーホール

◆第1部
○「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」音楽:ロッシーニ
 ジュリー・ケント&ウラジーミル・マラーホフ
○「菩提樹の夢」よりアダージョ 音楽:シューマン
 ポリーナ・セミオノワ&アルテム・シュピレフスキー
○「椿姫」
 ルシア・ラカッラ&シリル・ピエール
○「ファラオの娘」
 マリーヤ・アレクサンドローワ&セルゲイ・フィーリン

◆第2部
○「ジゼル」より第2幕 音楽:アダン
 ジゼル:ジュリー・ケント
 アルブレヒト: ウラジーミル・マラーホフ
 ミルタ:大島由賀子
 ドゥ・ウィリ:小出領子、長谷川智佳子ほか 東京バレエ団

◆第3部
○「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
 ポリーナ・セミオノワ&アルテム・シュピレフスキー
○「ライト・レイン」
 ルシア・ラカッラ&シリル・ピエール
○「ドン・キホーテ」より"グラン・パ・ド・ドゥ"
 マリーヤ・アレクサンドローワ&セルゲイ・フィーリン
○「ヴォヤージュ」
 ウラジーミル・マラーホフ
○ フィナーレ
 全員


『ジゼル』は、熊川さんが演ってるのをDVDで観た事がある。彼が演じるアルブレヒトは、マラーホフよりもやんちゃな雰囲気で、お山の大将というか、青年冒険家的というか、恋愛に対してあっけらかん、死の予感をはらんだストーリーでも、どちらかと言えば健康的で影がない感じがした。彼って、世間知らずで紳士的脳天気なぼっちゃん役がよく似合う。悲恋の物語でも、まるでワンコロが悲しがっているような素朴感。陽の魅力は悪くないが、妖艶だったり悪魔的だったりヒリヒリするほど悲愴だったりする彼も私は観てみたい。


今回のマラーホフ演じるアルブレヒトは(第2幕だけしか観られなかったんだけど)熊川さんよりもナイーブで、「恋」よりも「恋人」を愛している感じがとても強くした。(熊川さんは逆に、「恋人」よりも「恋」を愛している印象がある。あ、これは偏見?)もっといろいろな人の踊りを観ていくとまた違うふうに感じるのかもしれないけど、バレエの技術やら身体能力はとりあえず置いておいて、表現しようとしていることや表現しえていることのバランスが、私にあっているのは、今まで観た人の中では、マラーホフなのかなぁと思った。