『アレクサンダー・アレクセイエフ&クレア・パーカーの世界』


どちらも『映像の先駆者』シリーズ。


イームズ夫妻の映像の中に、軸と球でできたコマが出てきた。これを回転させながら適当に放り投げる。すると、頭が重いもんだから落下しながら球は下になる。床面に接っすると、回転の反動でコマはピンッピンッと弾け跳ねる。棒軸が生えているので回転の中心は決まっている。球体の一点を床につけて回ろうとしても、バランスをとろうとして揺れるその瞬間に、接地点が球面上ですぐにずれてしまってバランスがとれない。球単体なら簡単に安定した回転に入るのだけど、棒軸が真上だけを向いていてくれないので、常に重心が動いてしまう。しかし、そのうちに、一番安定感ある姿勢を求めて(コマが意志もってそれを探すわけではないんだけど)最終的には球を頭にいただいて、軸ですっくと立ちあがる。

静止している時には不安定な形が、この動きでは一番安定感のある形なのだ。動の状態での、安定。

しばらくすると、コマは回転を弱め、次の状況での安定感を求めて、バランスを崩す。頭を振りはじめ、傾き、球を床にうちつけ、転がり、思いのほか急に、止まる。静の状態での、安定。


巻き戻してもう一度みた。ダーウィンのことを考える。