『IRON (アイアン) 』

北九州芸術劇場×飛ぶ劇場共同製作

走り書き感想。
17:30〜『IRON』。こじんまり?コンパクト?『カズクン』の時はコンパクトながら等身大を丁寧に演じているように感じたのに、今回の話のように国家だなんだという話になると、とたんに陳腐になる。(『大砲の家』でも思ったけど。)台本のせい?演出のせい?血の「黒鉄」以外に「IRON」に通じる話が分からなかったけど、それは私がおもいっきり聞き逃しているんだろう。学園ドラマの延長で、大人の俳優がいない。客演?のコーチ役の人はちょっと良かったかな。女監督の内田さん、あの人はどっか飛んじゃってて好き。この芝居のあの役でどうこう良かったというよりも自分のキャラの出し方を心得てて、ちゃんとそこに重心を持って行ける人なんだと思う。藤原さんも、なんか変な感じでよいね。奇妙な感じが出せると存在感が出てくるのか。役柄的には印象深くなるはずの、捕まっちゃった木村選手、あの人が何故だかカゲが薄い。寺田さんも、実はそんなには深みがないかなぁ。人の運命がかかってるんだから、もっと脚本を飛び出して、血を吐くように決断をしてほしかった。。こうゆうのってただの好みの問題なのかしらね。セットもそんなにいい感じには思えず。あんなにウヨウヨ動くんじゃなくて、がんじがらめに動けないような雰囲気にすべきなんじゃないかなぁ。練習部屋への扉が細長かったのが原因か、私の想像力が足りなかったのか、どう見ても物置きを出入りしているように感じられたし。私のこうするべきだっていうのと、作ってる人たちの意図しているものが随分ずれているのかもしれないが。扉がいっぱいあったのは、向かうべき方向はひとつだけではないんだってことだろか。華玉木も期待には及ばず。練習の時間がなかった?照明も、情熱的でなし、冷ややかでなし、なんかイマイチ入り込めず。寺田さんは、この国に期待していないからあんなに仕種に熱意が感じられないのか。カセットテープ持ってて捕まった木村選手は、達観しててあんな軽い最後なのか。「私はどうなるの!?」と男を理解できずに泣いていた鵜飼さん以外からは、情熱があまり伝わってこず。(でも彼女も器用さで演じている気も…。)時間短縮のためにカットした分、スジをわかりやすくするのに力点おきすぎて、感情表現に力そそげなかったのか。演出家の考えている範疇でしか作られていなくて、膨らみに欠けているのかも。北朝鮮のことだけを想定して作られた芝居じゃないようだけど、10年前ならいざしらず、今だと、寺田選手が去った「その後」を描くべきじゃ無いかなと思う。あと、会場で配られるパンフは(かっこよいので半ば負け惜しみのようにして書くんだけど)あんなにキャストに重きを置かず、スト−リ−や世界観をもっと膨らませるような情報を載せた方がよいと思う。あのパンフの雰囲気は、『IRON』の雰囲気を出せているんだろうか?ゲームの設定風な世界です。というのを強調したかったのか。