『嵐』


あああああたまグルグルググル。道を行けば道がなくなる。水をゆけば水が出なくなる。嵐はやってきた。ああやってきた。おそらく暴行に耐えかねて、風の暴力に耐えかねて、あの女どもは疲れ果て歩く。歩き、歩き、しぼむ。ああこんな所に答えが落ちていた。ウソをこしらえた。ウソをうんとこしらえた。叩く。叩かれる。戦いは誰もができる遊びごと。なのに誰もその完成形を知らない。知ってかしらずか。知らいでか。


あ、あす、あすこの赤い花はもうすぐ散るよ。風雨がもいでいくのだ。風雨がかしづいてね。賢くくしけずるなけなしの、、ああ。朝が来る。夜が来る。どこか来る。明日へ行く。嵐は来て去る。走り去らねば。私は走り去らねば。嵐と共に。風とともに。去りぬ。サリン。ああああ頭くる。くるくる。カッカ。ポっポ。


女達はあんなところまでやってきた。その先はダメなのだ。そこからは行き止まりが始まるのだ。その先はずっと行き止まりなのだ。あとの荒野はすべて行き止まっておる。なぜ知らん?なぜか知らん?あなたは何を知っている。私は風を知っておる。水を知っておる。水が蛇口からこぼれてねぇ。お水が地面を吸い込んでねぇ。地面はねぇ、消えて無くなるの。吸い込まれて。うふふ。道も吸い込まれて。あーれ、あんなところに明るい光が見える。


そばへよってちょ。目で見てちょ。私の手まりがどこかへ消えた。うるさい音が震えているので、私のまりが怖がって逃げた。暗がりは5mまで広がった。あっこから下はないから。あっから下は、ずっと落ちる時間だけが伸びてる。誰かが追いかけている。まりを誰かが追っている。小さいヒビからこなごなに。こなごな。色をよりわけて。まぁ。


蜘蛛のケバケバの腕は大変たくましい。彼の糸は地図をつむぐのだ。白く。雪の地図。まるでダメ。おとろしい。おとなしい。おぞましい。少女は女である。あ、あ、血が。水を飲んで正常なものを想像。丸い絆創膏が隠している。傷が、、。