『ディアスポラ紀行―追放された者のまなざし』

「指紋押す指の無ければ外国人登録証にわが指紋なし」
点訳のわが朝鮮の民族史今日も舌先のほてるまで読みぬ」

1939年、13歳で日本に渡ってきた、在日朝鮮人一世の金夏日(キム・ハイル)さんの作品。41年にハンセン病発病。49年に失明。故郷も家族も言葉も視力も指の感覚も失われ、それでも舌から血を流しつつ、日本語点字朝鮮語点字を学び、自分が何者であるかを知ろうとした。