『音楽』


 絶え間なく情熱的な音楽が鳴り響いている。みんな、働き蜂みたいだ。誰かに指示されているらしい。その誰かは見えないけれど。
 憤ったり哀しんでみたり、みんな何かと忙しい。リズムにのって生きていくために、なるべく単調を避けたいってさ。黒白グレイのモノトーンに、ときどき原色が入るのさ。


 誰も逃げ出さないから偉いのか? ここがどこだか答えてごらんよ。笑顔で手を降って僕に答えたら、その時にはホントに君を尊敬してあげる。
 英雄の影を踏みしめたまま、どこかの誰かに革命を期待してる。君ならできる筈だよ。僕の出来ないこと、君ならやってくれるだろう? 何もかも幻の向こうに消滅させて、それでも下らない自分に幻滅することがないのなら、僕はかえって君をすごいと思うだろう。


 逃げ出さないことがそんなに大事なことなのか? 働き蜂が逃げ出さなかったからって誰が褒めてくれるんだ? どうしてこんな熱いんだ? 何かと皆さん間違ってるよ。何かと私も間違いだらけだ。嫌なら嫌だって言やぁいいんだ。どうして難しくしていくんだろう。